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こころ

読書

小学1年生の授業参観日

 

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黒板にペタっと貼って先生は聞いた。

 

これは何ですか?

 

間違いなく、、アレにしか見えない。

 

手を挙げたいけどあげたいけど親が楽しみにして後ろからみている。

 

本当に大切。

 

これなしで人は生きられませんよ♡

 

 

久しぶりに読むと感慨深い。

 

漱石との出会いは小学生のときで、感性が未熟で人間関係のややこしさが分かっていなかった。深く読みこむには今がちょうど良かったのかもしれない。

 

 

様子が目に浮かぶ情景描写に心情描写。絶妙な言葉の運び。

 

和語ならではの美しさ。旧字体であるからこその良さも好きだ。

 

 

特にこのフレーズは本来の文脈と解し方どおりでも好きだし、この言葉だけの響きをとっても好き。

 

然し悪い人間ていふ一種の人間が世の中にあると君は思つてゐるんですか。そんな鋳型にいれたやうな悪人は世の中にある筈がありませんよ。平生はみんな善人なんです、少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざといふ間際に、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです。だから油断が出来ないんです。

 

この言葉は先生が信じ頼っていた叔父が金銭のことで先生を裏切って出た言葉だと思われる。

金銭のことに限らず人は窮地に立たされたとき、素性が表出するものだ。それは血のつながった人間でもどんなに親しい間柄にあると思っている人間でも何をするか分からない。

でも、だからこそ信じたい。

 

「あなたは本当に真面目なんですか」と先生が念を押した。「私は過去の因果で、人を疑りつけてゐる。だから実はあなたも疑つてゐる。然し何うもあなた丈は疑りたくない。あなたは疑るには余りに単純すぎる様だ。私はたつた一人で好いから、他を信用して...あなたは其たつた一人になれますか。なつて呉れますか。あなたは腹の底から真面目ですか」

 

全てを預け、絶対の信頼をおける人がいる

たったひとりいたら良い。